仲間とともに戦い、目指せ東北No.1!「カメイカップ2014 U-15東北サッカー選抜大会」

3、4位決定戦と5、6位決定戦は、ベガルタ仙台泉パークタウン練習場で行われました。

3、4位決定戦は予選リーグで共に2位だった福島県選抜と青森県選抜の戦い。前半開始早々、福島は背番号13番鈴木朝日選手を中心に弾丸シュートなど、果敢に攻めの体制で挑みます。福島がボール支配率でも圧倒しますが、青森も必死の守りでゴールを阻止します。福島優勢に見えたゲームの中、先制点を取ったのは青森。ボランチからパスをつないで背番号4番の糸井友紗選手がシュートを決めました。点を失った焦りからか、福島は直接フリーキックも外してしまうなど、ここで少し崩れたかのように思われましたが、選手同士が大きく声をかけあって何とか守りきり、ゲームを折り返します。

後半戦では、両チームともに円陣を組んで気合いを入れて臨みます。後半16分、ゴール前のもつれる中から福島の背番号4番松井蓮之選手が浮き球を決めてシュートを決め、同点に。福島が一気に勢いを取り戻します。後半40分、背番号6番の坪佳侑選手がセンターから上がってシュートを決めると、ロスタイムには背番号7番の宗方司選手がダメ押しの3点目。結果、3対1で福島県選抜が青森県選抜を下し、3位になりました。

3位の福島県選抜 斎藤克幸監督

初戦こそ動きが固かったですが、次第にパフォーマンスもよくなってきましたし、彼らの気持ちも上がっていきました。優勝を目指して戦ってはきましたが、15歳という年齢は、まだまだサッカー選手としての成長段階にあります。この大会に出場することによって、メンタル面でも強くなって、今後の成長につなげていけたらと思います。

福島県選抜 坪佳侑選手 背番号6 MF

選抜ですが、このチームは本当に仲が良くていいチーム。今日は、このメンバーでやる最後の試合かもしれなかったので、とにかく最高の試合にしたかったんです。緊張はしましたが、自分なりに素晴らしいプレーができたと思います。

福島県選抜 宗方司選手 背番号7 MF

チーム内で、ユアスタで決勝を戦おうと話していたのですが、それは叶いませんでした。初日は、宮城県選抜のプレスの速さとかボール回しの上手さにやられましたが、岩手県選抜戦ではチーム一丸で戦えました。今日は、勝って笑って終わろうとみんなで話していたので、それが実現できてうれしいです。

福島県選抜 渡邊詩則選手 背番号9 MF

福島県選抜としてこのチームでプレーできてよかったです。前半はシュートを打っても攻めきれませんでしたが、後半に逆転して、ロスタイムの最後の最後で点を決めることができたので、すごくうれしかったです。このチームは雰囲気がすごくよくて、オンでもオフでも一体感があって、今回も楽しくプレーできました。

4位の青森県選抜 小坂典弘監督

チャンスを活かしきれなかったのが、厳しい戦いをものにできなかった原因だと思います。まだ中学生なので、集中力が切れてしまうこともありますが、選手たちはよくがんばりました。選抜メンバーではありますが、チームワークもよく、みんなで一緒に戦えてよかったです。

青森県選抜 小山内慎一郎選手 背番号2 DF

初戦は、緊張して立ち上がりが悪かったのですが、試合を進めるごとによくなっていったと思います。今回勝てなかったのは残念ですが、この大会を通じて、チームとしてより高いところを目指したいと思うようになりました。自分も含め、みんな成長できたと思います。

青森県選抜 吉田幸生選手 背番号7 MF

チームとして、試合中の連携が上手く取れなかったのが、負けてしまった原因だと思います。この大会を通して、ほかの県の選手が、みんなレベルが高いことに驚きました。自分はまだまだだなと感じたので、もっともっと練習して上手くなりたいです。

青森県選抜 佐々木友選手 背番号10 FW

まだ自分のプレーでは通用しないんだということが分かって、とても悔しいです。ただ、自分の課題が見えてきたので、それをこれからの練習につなげていきたいと思います。このチームはとても仲がよくて、ピッチの中でも外でも支え合うことができました。


5位、6位決定戦は、岩手県選抜と秋田県選抜の戦いとなりました。ボール支配率はほぼ同等、一歩も譲らぬ速いパス回しでの試合展開となります。前半12分、ペナルティーエリアで相手のファウルを誘い、PKに持ち込んだ岩手でしたが、背番号16番の佐藤大雅選手のシュートは、キーパーに跳ね返されてしまいます。その後も、岩手は直接フリーキックのチャンスも活かせません。岩手は、前半に6本のシュートを打ちましたが、秋田の背番号1番渡辺空斗選手のファインプレーに阻まれ、結果前半は0対0で終了しました。

後半開始8分、試合は動きます。秋田の背番号13番田近晴登選手が単独で上がって行き、シュートを決め先制点を奪うと、すぐさま岩手も反撃に出ます。後半16分、背番号10番の金澤聖眞選手のパスを受けた13番の佐々木渓人選手がゴールにねじ込み、同点に。さらに後半20分には、コーナーキックからゴールエリア内でもつれたところを岩手背番号3番の菊池和哉選手がヘディングで合わせて追加点。さらに後半24分にも岩手背番号16番の佐藤大雅選手がダメ押しのもう1点を追加。秋田も反撃のチャンスを狙いますが、試合のペースを岩手に握られたまま、試合終了。
3対1で岩手県選抜が勝利しました。

5位の岩手県選抜 中村司監督

最後の最後で勝つことができてうれしいです。お互いコミュニケーションを取りながら、もっともっと練習が必要ですね。この学年の子たちはみんなおとなしいので、普段のトレーニングの中でも声を出すように、というのを伝えています。

岩手県選抜 渡邊岳人選手 背番号4 DF

初戦は宮城と戦って、すごく強い!という印象を受けました。この試合は勝てたからよかったけれど、まだまだ自分たちのレベルを上げていくために練習をしないといけないと思いました。

岩手県選抜 高原優介選手 背番号8 MF

秋田県選抜に先制点を決められてしまいましたが、逆転で、しかも3点も入れられたのでよかったです。予選では、試合の立ち上がりが悪かったので、ミーティングでそこをしっかりやろうと話していました。2日間を通して、まだまだ練習が必要だと感じました。

岩手県選抜 金澤聖眞選手 背番号10 FW

いつも通りの気持ちでプレーできたのでよかったです。最終戦で、しかも逆転で勝てたのは本当にうれしい。ほかの選手のレベルもとても高かったのでいい刺激になりました。もっと練習して上手くなりたいです。

6位の秋田県選抜 栗原英毅監督

初戦の山形戦では先制したものの、2点目が取れずに結果逆転負けをしてしまいました。2戦目も、そして今回も同じ。2点目を取るチャンスを活かしきれていないのが敗因です。また、ゲームコントロールもチームとしてはまだまだだと思います。ただ、こういう大会に参加してプレーをするという経験は選手たちにとってとても貴重。これからレベルを上げて、ゲームコントロール力の強い選手たちを秋田から輩出したいですね。

秋田県選抜 辻賢邑選手 背番号4 MF

昨日も今日も、自分たちが決め切れなかったのがいけなかったと思います。今回、選抜メンバーに入って、秋田のトップレベルの選手たちと一緒にできたのはもちろん、他の県の上手い選手と試合ができてよかったです。秋田のレベルアップにもつながっていくと思います。

秋田県選抜 齋藤瑞生選手 背番号10 FW

どの県もレベルが高くて驚きましたが、初日に得点を決めることができたので、よかったです。この2日間はとてもいい経験になりました。もっともっと練習して、ほかの選手に負けないくらい上手くなりたいです。

秋田県選抜 石井龍平選手 背番号14 MF

初めてこの大会に参加したので、緊張しました。でも、いつも通りにプレーできたと思います。順位決定戦では、1点目を決めることができたのに、追加点を取られ負けてしまいました。これからもっと練習して、東北のトップになって、将来は海外に行きたいです。


うまくなればなるほど、練習が必要

一般社団法人宮城県サッカー協会 会長
大久保芳雄さん

今回の決勝も、東北のナンバーワンを決めるにふさわしい、白熱の試合になりました。今年6月にはサッカーのワールドカップがブラジルで行われ、刺激を受けた選手も非常に多いことと思います。国をかけて戦っているその姿は、とても強く見えたはずです。今日ここに参加してくれた選手のみなさんは、自分たちの暮らす県の選抜として誇りを持って戦ってくれました。きっと、大会に参加した選手のほとんどがプロを目指したい、海外でプレーしたいという夢を持っていることと思います。この「カメイカップ」からは、実際にA代表の選手が3人も出ていますから、それは決して夢ではない。しかしながら、どんなに目標を大きく掲げても、それだけでは「絵に描いた餅」でしかありません。毎日の練習の中で、その目標をどう落とし込んでいくのか考えながらサッカーをしていってほしいと思います。ACミランの本田圭佑選手は、練習の2時間前に来て、終わってからも2時間自分で練習を続けているそうです。そうやって、上手くなればなるほど練習が必要なのです。コーチや監督の言うことを謙虚に聞いて、その肩に日本のサッカーの将来がかかっていると思いながら、がんばっていってほしいと思います。


決勝でのユアスタのピッチは、子どもたちの憧れ

社団法人宮城県サッカー協会 技術委員長
鈴木武一さん

今年も感じたのは、東北6県の実力の差が拮抗しているということ。ジュニアユースのイベントとしては、非常にパフォーマンスが高いですね。今回は、スコアだけ見ていると、宮城が予選で圧勝しているような印象を受けますが、局面ごとに見ていくと、そんなに差はないんですよ。

この「カメイカップ」は、決勝でユアスタのピッチに立てるというのが、子どもたちにとってものすごいモチベーションになっているんです。やはり、ここに来ると、みんな“うわ〜”という感じで、ピッチから観客席を眺めています。長年にわたって、この大会を支えてくださっている方々には本当に感謝の気持ちです。そのおかげで、東北全体の底上げにもなっています。まだ関東などには及びませんが、いずれ日本のトップレベルになることを願います。今は、海外のサッカーもリアルタイムで見られる時代ですから、子どもたちはもうすでに一流のものを目にしているわけです。それを実践する場を大人が用意できていない。今後は、そういった環境を作っていくことも考えなくてはいけないと思います。

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