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3年ぶり、悲願の開催「日本の蔵王ヒルクライム・エコ2022」

5月22日(日)、「日本の蔵王ヒルクライム・エコ2022」が開催されました。この大会は、蔵王に春を告げる恒例イベントですが、昨年、一昨年と新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて2年連続での中止。今年、3年ぶりの開催に期待に胸を膨らませたサイクリストも多くいたことでしょう。しかしながら、当日はあいにくの雨。スタート時こそ小雨でしたが、レース全体を通して大きな雨粒が選手たちに降り注ぎました。
エントリーは610名でしたが、当日の天気も影響したのか、実走したのは424名でした。そして、今大会からチャンピオンクラスが廃止され、ロードレーサー男子Aクラス(13歳〜29歳)、男子Bクラス(30歳〜39歳)、男子Cクラス(40〜49歳)、男子Dクラス(50〜59歳)、男子Eクラス(60歳以上)、男子Fクラス(男子13歳以上 体重70kg〜80kg未満)、男子Gクラス(13歳以上体重80kg以上)、ロードレーサー女子の計8クラスに分かれてレースが行われました。
この自転車レースは、蔵王町の認知度向上、さらには雄大な自然を誇る蔵王連邦の環境保全に配慮したエコスポーツを開催することで「環境保全宣言の町」としての取り組みをアピールすることも目的としています。また、交流人口の増加や地域経済の活性化も大会開催の狙いとしており、カメイはこの主旨に賛同し、「日本の蔵王ヒルクライム・エコ2022」に特別協賛しています。

3年ぶりの大会は、雨の中の開催

雨の中、朝7:30のスタートを前に、会場周辺には雨合羽などで雨をしのぐ選手が続々と集まってきました。
レースは、例年通り蔵王エコーライン入口の大鳥居からスタートし、蔵王山頂までの全長18.7km、標高差1,334mのフルクラスで行われます。コースは、平均勾配7.1%、最大勾配12%となっており、国内ヒルクライムレースの中でも最も難関とされるコース。冬期閉鎖期間を経て開通したばかりの蔵王エコーラインで、料金所より上は通常自動車専用道路となっているため、自転車で走ることができるのは年に1度開催されるこのヒルクライムのみ。それゆえに、多くのサイクリストがチャレンジの場、トライアルの場として参加しています。
開会式では、大会会長である村上英人蔵王町長が「全国各地からようこそ!みなさんのお越しを心からお喜び申し上げます。今年の参加者の最年少は13歳、最年長は78歳、そして一番遠いところから来てくださった方は、沖縄からの参加です。あいにくの天気ではありますが、みなさん、がんばってください!」と、開会宣言をしました。
次に、宮城県サイクリング協会菅野治雄副理事長からレースについての注意事項と、コース状態の説明がありました。山頂は雨で気温6度、コースは所々霧が出ていることから、ライトを点灯し、安全に走行するよう改めて注意を呼びかけました。
そして、開会式の終了とともに、選手たちはスタートラインへと移動していきました。

大鳥居をくぐって、山頂へ!

選手のみなさんは、クラスごとに大鳥居に集合します。スタート時間の7時30分になると、ロードレーサー男子Aクラス、男子Bクラスの選手がスタートします。続いて、男子Cクラス、男子Dクラスと、全8クラスに分かれた選手たちが続々とスタートを切ります。雨の中ではありましたが、沿道には家族や友人、大会関係者や地元の人たちが「がんばって!」「いってらっしゃい!」と大きな声援を送り、選手たちも手を振り応えていました。  
選手たちは風を切りながら、蔵王の曲がりくねった道を駆け上がります。本来であれば新緑に囲まれた美しいコースを走ることができるのですが、この日は雨粒が選手たちを襲います。しかしながら、風がなかったことが不幸中の幸いでした。
標高が上がるにつれて緑は少なくなり、残雪が見え始めます。ここで、九十九折れカーブとなり、11.8km地点の賽の河原付近からは、なだらかな直線です。給水所でもある標高1386mの駒草平付近には蔵王名物の『雪の壁』が現れます。そしてエコーライン料金所が見え、その先には蔵王連峰のシンボル・御釜へ通じるハイライン。この道路は自動車専用道路のため、いつもは自転車で走ることができませんが、当大会のときだけは特別に走行が可能で、サイクリストにとっては特別な時間です。ゴール地点は、眼下に雄大な大パノラマが広がる蔵王山頂です。いつもはエメラルド色に輝く御釜と新緑、そして残雪のコントラストが楽しめるのですが、この日は霧で御釜の姿を拝することはできませんでした。

トップは1時間を切っての優勝タイム!

レースを終えた選手たちは、ゴールした順に、途中休憩をはさみながら下山します。例年は閉会式と表彰式が行われていましたが、この日は大雨のためどちらも中止に。下山した選手は、各々が家路へと就きます。
そんな中、各クラスで3位までに入賞した選手たちは、受付で遠刈田系のこけし工人が作った“こけしと自転車”がついた蔵王町ならではのトロフィーや米、協賛企業から提供されたグッズなどを受け取りました。

今回、初出場ながら大会トップのタイムでゴールし、男子Aクラスで優勝したのは、福島から参加したという三原圭太さん。お兄さんの影響で自転車をはじめ、3年前からレースに参加するようになったといいます。三原さんは「今年最初の大会でいいスタートが切れました。雨と霧で路面や視界は悪かったのですが、風がなかったので走りにくくはなかったです。これからも別のレースに参加するので、がんばりたいです」と話してくれました。三原さんは、自身が所属するチーム名「ストラバいいね」にちなみ、“いいねサイン”を作って写真撮影に応じるなど、チャーミングな人柄ものぞかせました。  
男子Cクラス3位に入賞した、山形県から参加の萩原良徳さんは、「今回で4回目の参加で、初入賞。蔵王は大好きなコースなので、うれしいです」と話してくれました。 男子Gクラス優勝の野地亮平さんは「優勝できてうれしいです。僕のように体重が重いとヒルクライムのようなレースでは不利になるので、こうして体重別でもクラス分けをしていただけて、ありがたいです」と顔をほころばせていました。  
女子の部、大会初参加で優勝を手にした、福島県の原睦さんは「上りではあまり感じなかったけれど、下りが寒かったです。でも、雪の回廊を楽しめました」と、寒さに震えながらもインタビューに答えてくれました。

あいにくの天気ではありましたが、3年ぶりに開催された「日本の蔵王ヒルクラム・エコ2022」。来年も無事開催されること、そして多くのサイクリストが晴れの日の美しい蔵王を堪能できることを願っています。

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