今年は、40組の親子が8月3日(土)に楽天イーグルスの本拠地である日本製紙クリネックススタジアム宮城室内練習場に集い、楽天のジュニアコーチの指導のもとたくさんの汗を流し、親子で楽しいひとときを過ごしました。
受付開始前からぞくぞくと集まってきた参加者の皆さんは期待と緊張の面持ち。今年のコーチは、有銘兼久ジュニアコーチ、川岸強ジュニアコーチ、大廣翔治ジュニアコーチの3名、司会進行は、楽天場内アナウンサー千葉正人さんです。川岸コーチから「僕は今年からジュニアコーチになり、東北6県いろんなところで野球教室をやっています。野球は少しのきっかけで突然上手くなったりするものです。今日をきっかけに何かをつかんで上手くなってもらいたいです。また、技術以外、意識の面でも指導していきたいと思いますので、頭の中を柔らかくして話を聞いてください。そしてお父さん、お母さん怪我をしないように(笑)。今日は一日よろしくお願いします!」と挨拶し、いよいよ野球教室スタート!
まず最初に有銘コーチの指導でウォーミングアップ。大きくひろがって膝の屈伸から始まり、脚、背中、肩、腕、脇腹といった全ての筋や筋肉を伸ばすストレッチを約20分、時間をかけて行いました。
それから、数種類のスキップで前進、後進したり、サイドステップをふんでからダッシュしたりと体を大きく動かしながらウォーミングアップ。体を十分あたためたあと、2チームに分かれバッティングとピッチング&守備の練習に入りました。
仙台市内から参加
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バッティング指導は大廣コーチが担当。
練習を始める前に「構え方」「テイクバックのときの目線」「バットを握るときの手の位置」など子供たちにも分かりやすいよう言葉と体を使って説明してくれました。また、スタンドティーを使っての練習は初めての子もいるので、スタンドティーに対してどの位置に立てばいいのか、高さはどの辺にしたらいいのかということも丁寧に解説。みんな真剣に聞いていました。
1人3球ずつ交代で打っていきます。お父さんお母さんはボールを置く係。とまっているボールを打つのは思った以上に難しいもので、なかなかコツがつかめない子もいます。そんなときには、バットのどの位置にボールを当てたら良いのか、そのためにはどの位置に立てば良いのかということを大廣コーチが手取り足取り丁寧に指導してくれます。もちろん、一緒に説明を聞いていたお父さんお母さんもわが子のスイングをしっかりチェック。上手く当たったら一緒に喜び、失敗したら励ましたりアドバイスしたり。子供たちも本当に楽しそうに、輝いた表情で真剣に練習していました。
失敗したときの悔しい気持ち、イメージ通りに心地良い音でボールが飛んでいく爽快感、意識して練習することで「できた」ことを実感できる喜び。そういう、何かに一生懸命取り組むことが子供たちにとって良い経験になったのではないでしょうか。
仙台市内から参加
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仙台市内から参加
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ピッチングと守備の指導は、有銘コーチと川岸コーチが担当。
まずは、投球の基本から説明。「ボールの山(縫い目)は何のためにあると思いますか?この山に指をかけるか、かけないかでボールの回転数が変わってきます。回転が少なければチェンジアップ(変化球の一種)のようにすっと落ちるし、しっかり指をかけて投げるとグンッと伸びる球になります。」と、山に指をかけるというのはどういう状態なのかもレクチャー。次に、投球する時の軸足について説明。「軸足の向きというのは小さなことだけど、本当に大事なことなのでしっかり意識してください。」と、軸足の向きによって体がどういうバランスになるのか実際に体を使って説明してくれました。また、キャッチボールはただボールを投げ合うのではく、投手なのか内野手なのか外野手なのか、意識しながら投げることが大事ということも教えてくれました。例えば、近くへ投げるときや遠くに投げるとき、ボールを持っている方の腕ではなく、グローブをはめている方の腕の動きで球をコントロールします。「楽天の選手は、みんなキャッチボールをするとき、軸足や体の色々な部分を意識しながら一球一球真剣に投げます。キャッチボールを適当にする選手は一人もいないので、みんなも意識しながらやってください。」とのアドバイスをうけ、お父さんお母さんとキャッチングやピッチングの練習を行いました。
仙台市内から参加
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仙台市内から参加
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キャッチボールの次は守備の練習。
正しい姿勢から細かく丁寧にレクチャーしてもらいました。
「試合では送球のことも考えて片足を引いて斜めの姿勢でいることが多いし、斜めで構えろと言われることもあるかもしれませんが、守備ではボールを正面で取るのが基本です。」
脚を広げて膝はほぼ90度に曲げ、腰を落として顔はもちろん正面を向く姿勢が基本。とても辛い姿勢ですが、その基本ができてこそ、ボールをきちんとキャッチすることができたり、送球するときスムーズな動きになっていきます。姿勢だけではなくグローブを構える位置など、ひとつひとつ動きながら説明してくれるので、みんなどんどん上達していきます。
「プロはみんな基本練習をします。基本練習というのは地味ですがとても大事なので、みんなも基本をしっかり覚えてください。」
ということで、中腰のままの姿勢でお父さんお母さんと10回ボールを転がしてキャッチ!みんな一生懸命頑張っていました。次にお父さんお母さんが転がしたゴロをキャッチしてステップしながら投げる練習。自分のなかでリズムを感じながら、勝ち残りノックへ向けて練習しました。
名取市内から参加
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仙台市内から参加
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大人も子供も大興奮のコーチたちによるデモンストレーション。プロのプレーやパワーを間近で見ることができる大チャンス!
大廣コーチのバッティング。
「外だったらもっと分かりやすいんですけど。」と言いながらも、パワフルなフルスイングで参加者を圧倒。カキーンッという快音とともに目指した方向へ伸びる打球に「すごーい!」「うわー!」と大歓声!ホームランとなる的の方向を目指し確実に打っていきます。また、プロのスイングがおこす風切り音を間近で聞く迫力もさることながら、スタンド席からではなく、すぐ近くで、スタンス、腰や肩、腕の動き、目線など、ひとつひとつ見ることができるのも野球教室ならではの醍醐味。これからイメージトレーニングするのにも参考になったのではないでしょうか。
有銘コーチと川岸コーチのピッチング。
マウンドからホームベースまで左右にずらりと人が並んだ状態でピッチングできるコントロールの正確さはやはり流石です。ズバン!とキャッチャーミットが音を立てるとどよめきがおこりました。「次はスライダー!」「ストレート!」リクエストにも応えてくれました。こんなに間近で見る迫力にお父さんお母さんも大興奮!ネット裏でスライダーの曲がり具合を見たり、また、バッターがどれくらいの速さを体感してるのか子供たちやお父さん代表も実際バッターボックスに立って体験しました。プロのスピードに大きな拍手と歓声が贈られました。
勝ち残りノックとは参加者が一列に並んでコーチのノックを受けて、エラーをしたら列から抜けていき、最後まで残った参加者が優勝!という単純明快なゲーム。
今年は1・2・3年生、4・5・6年生、お父さん、お母さんと4つのグループに分かれて行われました。
まず最初は子供たち。「おねがいします!」元気な声で挨拶したら、守備での練習を活かして基本の姿勢。初めは軽いゴロからスタートし、だんだんバウンドなど難しい打球に挑戦していきます。残り人数が減り緊張感も高まってきます。いよいよ2人が残り決勝戦。決勝戦は先にエラーをしても2人目がエラーをしたら、もう一度チャンスが巡ってきます。それぞれ優勝者が決まり、次はお父さんとお母さんのスタート!初めてグローブをはめたというお母さんも、練習での成果をみせてキャッチしていきます。お母さんお父さんグループでは、なかなかエラーが出ず早い段階で難しい打球になっていき「これは難しい!」「ナイス!」といったかけ声がかかるなど、白熱したノックに。子供たちも一生懸命声援をおくります。手に汗にぎる大接戦の末優勝者が決まったときは大きな拍手に包まれました。
お父さんやお母さんが一生懸命ボールを追う姿を見て親子の絆が更に深まったのではないでしょうか。
大興奮の勝ち残りノックの余韻を残し、楽しかった「カメイ親子ふれあい楽天イーグルス野球教室」も終了の時間となりました。体を動かした後は、背伸びや屈伸などストレッチでクールダウン。
勝ち残りノックの優勝者には、コーチのサイン入りレプリカユニフォーム(お母さんの優勝者には東北グリーンバージョン)をそれぞれプレゼント!
最後に大廣コーチより「最後お父さんとお母さんの姿かっこよかったよね。みんなも一緒です。今日お父さんお母さんが一位になりたいって姿すごいかっこよかったのと一緒で、みんなもこうなりたいとか、将来野球選手になりたいとか、何か目標を持って日頃からそれを目指して頑張ってやっていってください。短い時間でしたが、みんなと野球ができて楽しかったです。これからも一生懸命頑張ってください。今日はありがとうございました!」と挨拶があり閉会式が終了。
最後に全員で記念撮影をした後、それぞれコーチにサインをもらい、お土産のサインボールを手に笑顔で帰っていきました。
仙台市内から参加
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仙台市内から参加
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大廣翔治(おおひろしょうじ) ジュニアコーチ |
プロフィール
2004年、楽天イーグルス初めてのドラフトで入団した、右のホームランバッター。パワフルなスイングから放つ、豪快な打球が持ち味。ジュニアコーチの中で唯一、甲子園優勝の経験を持つコーチ。
川岸強(かわぎしつよし) ジュニアコーチ |
プロフィール
2007年から2012年まで、楽天イーグルスで活躍した投手。サイドスローから繰り出す多彩な変化球、そして打者に向かっていく強気の投球が武器。昨年限りで現役を引退、今年からジュニアコーチに就任。
有銘兼久(ありめかねひさ) ジュニアコーチ |
プロフィール
球団創立からチームを支えた、サウスポーの投手。躍動感のある独特なフォームから、切れ味鋭い変化球で相手打者を抑えた。昨年限りで現役を引退、今年からジュニアコーチに就任。
仙台市内から参加
お子さん
お父さん